ほんのできごと。

本のことや、いろいろな出来事、日常のつぶやきなどなど

2015-01-01から1年間の記事一覧

ジヴェルニーの食卓

集英社文庫 2015.6.30刊行原田マハ 『ジヴェルニーの食卓』秋の匂いを金木犀に代理させて、秋の存在を感じる。鼻腔をくすぐる秋の匂いと、肌をかすめるひんやりとした風はとても気持ちがいい。そんな季節に、モネ展が開かれる。モネにはあまり、秋のイメージ…

人の死が与えるものって?

うだるような暑さ、眠れない夜に読み進めていったのはカポーティの『冷血』である。 作者が三年以上の歳月をかけて実際にあった衝撃的な殺人事件を取材し、改めて小説として文字を綴る。彼のこの作品は、ニュージャーナリズムの形成に大きな影響を与えたとさ…

地球が海で、宇宙が地球ならなんて

光文社新書から出版された松原隆彦の『宇宙はどうして始まったのか』を2日かけてしまったが、一応読み終えた。理系にまったく精通しない私でも、なんだか少し宇宙に対する理論物理学の見方がわかったような気がするのだ。そういえば、最近映画化もされて話題…

そもそも哲学の根源ってなんだ

「哲学をしたいなら、まずは哲学を哲学しなければならない。」衝撃的かつ核心を得ている言葉であった。この言葉の前に、私は打ちひしがれるしか術はなく、そして私は脱皮をしなければならない段階に来ている、というか、すでにしているべき段階に来ていると…

自分の作り出した世界観へのこだわり。

五月祭での友人の勇姿を見物した後に、目指すは阿佐ヶ谷ロフトA。ドラマ化もされた『仁』という漫画原作者である村上もとかと、ぽけまんという団体によるトークショーに参加する。今日のそれは、知り合いの方に情報を教えてもらいチケットを入手したわけだが…

大塚明夫の語る声優魂

新年度に入り、途端に忙しさを増した毎日。さて、今日は本を買ってやるぞと意気込んで買ってきた中にあったのが大塚明夫の『声優魂』。このようなジャンルの本を読むのは初めてだったけれども、私のエッセイ進出は幸先の良いスタートを切られたかもしれない…

出向いた先はスローシティ

母から「こんなものがあるから行っておいで。」「編集者になりたいならこういうとこ行ってみるのも大事じゃない。」なんていう口車に乗せられるがままに、てくてく一人、綺麗な街並みの白金にある明治学院大まで赴いてきた。目的はサティシュ・クマールさん…

ほんのこと。

『MONEY』VOL.5より 村上春樹の文章について ツイッターでも、評判のよかった柴田元幸さんが編集をしている『MONKEY』という文芸雑誌が、常々気になっていたので購入してみた。この雑誌は、内容もさることながら、表紙など、アートデザインも人の目を惹きつ…

ほんのこと。2・25

伊藤たかみ『母を砕く日』 文學界二月号より さて、このブログではつたないながらも自分のために、書評にも挑戦してみようと思っております。今回は、文學界に掲載されていた伊藤たかみさんの『母を砕く日』という作品の感想を書いてみようかと思います。評…

ほんの少しのジェラシーから。

やはり友人というものは大事なわけで。実家に帰る度に、東京の濁った空気と田舎の清々しい空気とを、体内で総入れ替えするような気分になる。都会の暮らしでの力みと強張りを解くように、ゆったりのんびり過ごす。一日と一日の境が溶け合って、どこかのっぺ…